バイタルサイン測定

基本的な看護技術、バイタルサイン測定について話したいと思います。
当院では、バイタルサイン測定は 血圧、脈拍、体温、SpO2を基本的に測定しています。頻呼吸の患者さんには呼吸回数を測定したりしています。
なぜバイタルサイン測定をするの?
なぜバイタルサイン測定をするのかというと、ずばり、患者さんの異常を早期発見したり、体調を把握するためです。そして、普段通りのケアをしていいのか判断し、必要ならばDrへ報告して指示を仰ぎます。
例えば、
「今日は熱が高いな、リハビリは中止してもらうかベッド上でリラクゼーションだけにしてもらおう」
とか
「血圧が低いな、なんでだろう、朝の降圧剤の内服はやめておいて、様子をみて日中にDrに報告してもらう」
など、バイタルサインを測定するだけでたくさん考えることができます。
血圧
高血圧、低血圧になっていないか判断します。疾患によって高すぎると駄目なもの、低いと駄目なものもあります。必要があれば持続モニターを行い、1時間ごとに測定も行っています。
自分で動ける患者さんに関しては、低いとふらつきがあるため歩行時は注意するように伝えたり、起き上がりたては低血圧になりやすいから起き上がってしばらくは座ったままでいてください等、アドバイスしていきます。
臥床時はよい血圧でも、座位になったとたん血圧が下がる患者様もおられます。なかなか嚥下がうまくいかない患者さんも、もしかしたら座ったら血圧が下がって飲み込むどころじゃなくなっているというケースもあるかもしれません。
このように、臥床時だけでなく、座位や立位時にも血圧の上下がないか、測定が必要な患者さんもおられます。リハビリの様子を見ながら必要性を判断していきましょう。
脈
脈拍数も、整脈・不整脈かも重要です。
普段80回/分の方が120回/分に上昇していたりすると、熱があるのかな、何かしんどいのかな、と異常を察知することができます。
もともと不整脈の方は何か内服をしていることが多いです。脈コントロールだったり、抗血栓薬等を内服されています。内服薬によっては出血傾向が強くて、採血の後は普段よりしっかりめに圧迫したり、口腔ケアは優しくしたり等、配慮します。
内服されていない場合は、不整脈があると血栓ができやすいため、そのような症状がないか(脳梗塞:意識レベルがおちていないか、肺血栓:呼吸苦がないか、SpO2の著名な低下がないか等)を意識して観察します。また血圧も低下しやすいため、血圧の様子も把握します。
リハビリ時も体への負担が大きくないか、アセスメントして行ってもらっています。
体温
発熱すると対応は多岐にわたります。
体を冷やすのか、掛物調整するのか、解熱剤使用したほうがいいのか。
Drへ報告し、採血・血培採取して抗生剤投与するのか、レントゲンやCT撮影して原因追及するのか。
誤嚥の可能性があるなら、食事内容を変更するのか中止するのか
尿路感染の可能性があるなら、飲水量を増やすのか点滴するのか、Baいれるのか
点滴の刺入部からの感染の可能性があるなら、入れなおすのか
コロナ、インフルエンザなどの感染症の可能性があるなら、検査して隔離などするのか
たくさん考えます。メンバーみんなで共有し、一緒に考えています。
発熱している患者さんが楽になるにはどうしたらいいのかな、熱は下げたほうがいい?このままでいい?とも考えます。
SpO2
体に酸素が足りているのか、判断します。92.3%以上あれば良しとしています。必要ならば酸素投与します。
低下している場合は、なぜ低下したのかも、もちろん考える必要があります。